人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

二女のかんしゃく

またもややってくれました。

二女がお師匠のレッスンをボイコット。すねる。手を払う。途中で弾かなくなる。自分で勝手に「ありがとうございました」と言ってレッスンを終わらせる。

親の顔が青ざめます。

二女はプライドが高く、納得できないと黙ってしまうタイプなので、強く言ってもダメ。心を開いて本音を引き出すまでこんこんと話をするしかないのです。仕事のあいまに電話して、話してみることに。

「今日はレッスンで先生のいうことを聞かなかったんだって?」

「……」

「(きた、だんまり。ダメじゃないかと言っても仕方ないのはわかっているから、話を続けなきゃ) 何がいやだったの?」

「……わかんない」

「わかんないんだ。でも何かがいやだったんだ?」

「うん」

「ヴァイオリンは好き?」

「うん」

「先生は好き?」

「うん」

「でも教えてもらうと、いやなの?」

「……うん」

「二女ちゃん。先生はね二女ちゃんのヴァイオリンがうまくなるように、教えに来てくださっているんだよ。教えてもらうのがいやなら、先生に来てもらう必要はないんだ。ヴァイオリンが好きなら続ければいいけど、先生のレッスンはやめようか」

「いや!(ちょっと涙声)」

「でも、直されるのはいやなんでしょ?」

「うーん」

「先生は、二女ちゃんの演奏を褒めにきてるんじゃないんだよ。二女ちゃんの悪いところを直しにいらしているの。直されるのがいやなら、パパやママがどんなにお願いしても、先生は『直すのがいやな子は、もう見ません』って言うかもよ」

「やーだー!(再び涙声)」

「(よくわかんない心理だな……でもあと一押し)ヴァイオリンもピアノも、弾きつづけていいんだよ? でも先生は直すのがお仕事だから、二女ちゃんが『直されたくない』って言うなら、もう来てくれないとおもう」

「ちゃーんーとーやーるー!(泣き声)」

「二女ちゃんがちゃんとやってるのは知ってる! パパもママも二女ちゃんが毎日ちゃんと練習しているのは知ってるんだ」

「(泣いてる)」

「いい? 先生のお仕事は『直すこと』なの。二女ちゃんのレッスンは『直されること』なの。それがいやなら辞めよう。それでもいいなら続けよう。どうする?」

「続ける」

疲れた。

二女が本当に「直されるのがいや」だからボイコットしたのかどうかはわかりません。もしかしたら眠かったのかも。おなかがすいていたのかも。たまたま機嫌が悪かったのかも。だからすべてを真に受けているわけじゃないのですが……。糸口がこれしかありませんでした。

帰宅すると、二女の手紙を発見。先生に素直に謝っている内容で、今度のレッスンで渡すんだといっているそう。

「多少は効いたのかな」

と妻に言うと、苦笑いしてその手紙を見せた二女のセリフを教えてくれました。

「“レッスン”ってカタカナで書けたよ。すごい? 先生ほめてくれるかな?」

………………どうすりゃいいんでしょう。




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