人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

コンクール(3/4)

●地方本選
2014年3月XX日。
本選は本選用の曲を弾く。予選とは別の曲である必要がある。

キッズ部門(未就学児)は予選と同じく7名が参加。とはいえ予選では見なかった顔もいたので、入れ替わったのか。
ここから弾く曲は全員本気なのだろうか、鈴木教本の3巻以降ばかりだった。全員の演奏を聴いたが、どことなく平らな感じがして、“演奏”としては楽しめなかったというのが本音だ。

それでも一音一音をとても丁寧にひろっていい音を出そうとしている子が数名見られて、心には響かなかったものの「あ、この子はちゃんと練習しているんだな」と感じるものはあった。それは

・音程
・テンポ

の安定度の高さ。もちろん、音の響きのよさを追求している子もいて、一緒くたに「音程とテンポだけを追い求めている」とはいえないが、やはりおしなべてまっ平らな演奏が目立つ気がした。もっと言うと、我々親はまだ幼児の争いにも関わらず“音楽性”なんてものを信じてしまっていた。要は傲慢だったのだろう。

そういう印象をいだき、そういう姿勢でいたせいか、結果を見て愕然とする。


7人中トータル4位。


いったい何が起こったのかと思った。それくらい、何も知らない親は唖然としてしまった。その思いが伝播してしまったのか、長女も暗い顔になってしまう。

本コンクールは本選も落さない主義なのか全員通過。全国大会に参加できることになった。が、帰りの電車の中はお通夜のように暗い雰囲気に。


講評はとても好意的な内容で、曲作りの面はとても褒めてくださっていた。しかしビブラートの幅が大きすぎる、音程を外したところがある、という点を指摘され、そこが減点につながったことが指摘されていた。また、舞台の上での姿勢と方向も注意される。ヴァイオリンのf字孔を客に向けるのが基本なのだが、長女は竿先を客席側に向けてしまっていた。その指摘をくださった先生が一番点数が辛かった。

今回も、おおらかな採点二名、辛口採点一名、という構成だった。

それにしては点数が低い気がする。もしかしたら長女の演奏には我々が気づかない致命的なテクニック不足があるのではないか……。

予選の腑に落ちない採点具合もあって、どうにも不信感を抱いてしまったせいか、ショックから完全に立ち直るまで二、三日を要した気がする。

でも今思えば、ここでショックを受けてよかった。

なぜなら、長女も親も、本気になれたからだ。

「ビブラートも音程も、一週間でできるところまで修正してみようじゃないの!」

と気持ちがそろった。

そう、全国大会まで、一週間しか猶予はなかった。


続く。



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