人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

プロたるもの楽器を扱えねば?

妻に教えてもらい読んでみたのですが、神童といわれたヴァイオリニスト、弓新(ゆみ・あらた)さんのインタビューがとにかくおもしろかった! 元記事はこちらです。

 


宗次ホール・オフィシャル・ブログ 弓新(Vn)連続インタビュー by 佐藤卓史(Pf)第1回

 

興味深い話がたくさんあったのですが(特にブロン先生の逸話とか)、もっとも惹かれた部分を引用させていただきます。

 

佐藤: あとは何を聞こうかな、楽器については…
何かしゃべりたいことあります?

弓:  いっぱいありますね、楽器については。

佐藤: じゃあしゃべってよ。

弓:  そうですね、とにかくヴァイオリニストはもっと楽器について知るべきですね。

佐藤: 持論でいらっしゃいますね。

弓:  はい。音楽学校のヴァイオリン科の人は、
全員職人としての技術を多少身につけられるように
音楽教育をやり直した方がいいと思う。

佐藤: それはピアノもそうだけどね。

弓:  そういう授業がないのはちょっと困ったもんですよ。
桐朋の女の子とか、もう、駒がほとんど倒れかかってるのに
「怖いから」って言ってそのままにしてるんですよ。
「私が触れると壊しちゃうから」って。

 

現在の先生に教わるようになってから、楽器についてこんなにも扱える人は珍しいんじゃないかと思っていましたが、こうやって第一線で活躍している人の話を聞くと、やはり「楽器の扱いがわかること」=「演奏家の技能のひとつ」と捉えていることがよくわかります。

 

弓:  魂柱の位置と太さがどれくらいであるべきなのかとか、
弦高の高さとかネックの角度とか、全部オプティマル(最適)な状態があるから、
自分で聴きたい音っていうのがあるなら、それを見つけられるんですよ。

佐藤: うんうん。

弓:  自分にヴィジョンがあれば。
僕も2年前まで楽器いろいろと替えましたけど、結局自分の音が鳴らない。

こんなに高い楽器弾いてるのになんで自分の音が出ないんだと思って、
まあ借りてる楽器だったんですけど、
いろいろといじくってみることにしたわけですよ。

佐藤: うんうん。

~中略~

弓:  僕も前はそういうことを全く知らないで良い楽器を弾けば良い音が
鳴ると思って、まあみんなそう思い込んでるんですけど。
だからストラドといえども、ちゃんとした比率に調整がされていない場合は、
まともな音は絶対に出ません。

佐藤: なるほどねえ。

 

何かをチューンナップするのって男の子的な快楽ですから、もしかしたら生き物としてこの感覚を女の子に持たせるのは難しいのかもしれません。とはいえ、信頼できる職人さんと仲良くなっておけばいいなんていう人もいるでしょうけど、海外でトラブルにあったとき、信頼できるのは自分だけです。やはりある程度は自分でできないといけないですよね。

 

弦の張替えをためしにやってみたら、意外と簡単にできたという話を前に書きましたが、なんでもやってみることですね。ちなみに我が家はこれを買ってみました。

 

ヴァイオリン マニュアル 日本語版

ヴァイオリン マニュアル 日本語版

 

 

鳥類図鑑、お花図鑑を見るみたいに、子どもたちにも早くからこういうものに興味をもってもらえたらいいな。

 

いえ、私もこれで勉強するんですけどね。

 

 ではまた。



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