人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

休みは終わった

『ららら♪クラシック』が番組改編……。

石田衣良・加羽沢美濃コンビをもう見ることは無いのかと思うと、だいすけお兄さん(おかあさんといっしょ)の卒業より悲しいです。番組の方向性もちょっと変わりましたね。

というのも、スタッフが一新されたのか、芝居パートの楽器に対する知識がいい加減すぎてもうっ! となっています。エルガー役の男性の弓づかいがとにかくひどかった。弓を拳骨で握り、指板から駒傍までを斜めに弾き。

 

スタッフ誰もツッコまなかったの? 三浦文彰さんの『愛の挨拶』はしびれたので、まあいいのですが。

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なぜ弾くのか、という問い

ワールドカップ予選は勝ちましたが、WBCは僅差で準決勝敗退。

しかしそんなことよりも今は、軽く『カルテット』ロスです。こんにちは。

いいドラマでしたね。言葉を丁寧に紡ぐシナリオは大好物です。特に最終回、主人公の4人に送られた一通の手紙に、胸を貫かれた方も多かったのではないでしょうか。 

私は不思議に思いました。
この人たち煙のくせに何のためにやってるんだろう。

早く辞めてしまえばいいのに。

私は5年前に奏者を辞めました。
自分が煙であることにいち早く気づいたからです。
自分のしていることの愚かさに気づきすっぱりと辞めました。
正しい選択でした。

本日またお店を訪ねたのは皆さんに直接お聞きしたかったからです。
どうして辞めないんですか。
煙の分際で、続けることに一体何の意味があるのだろう。
この疑問はこの一年間ずっと私の頭から離れません。
教えてください。
価値はあると思いますか。
意味はあると思いますか。
将来があると思いますか。
なぜ続けるんですか。
なぜ辞めないんですか。
なぜ。

教えてください。

お願いします。

  

もう泣きそうでした。

でも、この問いに明確に答えを持っている人は、きっと奏者として続けていくことと思います。主人公4人もはっきりと言語化したものはありませんでしたが、明確な意志をちゃんと持っていました。そこに、“弾く”という答えを見出していました。引いては、なぜ4人でいるのか、の答えにもつながっていたと思います。

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所変われば品変わる

「厳しい練習」をしたら「演奏家になれる」という命題があるとします。これ、いつも思うのですが成り立たないですよね。

 

p       q         p→q

厳しい練習   演奏家になれる   真

厳しい練習   演奏家になれない  真

楽しい練習   演奏家になれる   真

楽しい練習   演奏家になれない  真

 

ほらー! 全部真じゃないですか!(いや数学的に「真」は意味が違うので、この図はおかしいのですが……)対偶を求めるまでもなく、命題では解けない問題だからこそ、「残るは才能」とかいわれてしまうわけで。

 

なんていうくだらないことを考えるくらいには時間に余裕ができたので、更新したいと思います。

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「カルテット」とコンサートと基礎と

TBS火曜ドラマ「カルテット」、ご覧になっていますか。ライトでポップな「逃げ恥」の後釜として、またドきついものをあててきましたね! 小劇団のお芝居みたいで大好きです。若かりしころ箱通いした人ならがぜん食いついていらっしゃるのではないでしょうか。夢の遊眠社、第三舞台、東京サンシャインボーイズ、キャラメルボックス。そんな雰囲気を醸し出していますね。今後の展開がとても楽しみです。合言葉は「A(アー)ください」うん、巷ではいまいち流行っていない。

ただまあ、楽器の弾き方は……。彼らは役者さんであって演奏家ではないのだから仕方ないですけど、本物の武士が現代にいたとして、その彼らが大河ドラマを見たらこんな気持ちなんじゃないか、みたいな空気はどうしても漂います。

それでもさすがは役者、とうなったのは、高橋一生さんの足を投げ出したヴィオラ演奏スタイル。あれは彼が観察した結果なのか、それとも演出家のお手柄なのか。いますよね、ああいう人。笑ってしまいました(ただしオケに。カルテットではあまり見たことない)。

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近況まとめてご報告

月に二回くらいは更新していないと、さすがに追憶の彼方に追いやられてしまいそうなので、そろそろ何かを書いておきたいのですが、“あまりにもいろいろありすぎて”、何を書いてよいやら。

こんにちは、ご無沙汰しております。

 

姉妹の今のヒットは、NHK BSプレミアム「プレミアムシアター」で放送されたグラインドボーン音楽祭2016 歌劇『セビリアの理髪師』。以前、パリオペラ座でコリーヌ・セローが演出した舞台のDVDを見せたことがあるのですが、フィガロの服になぜか携帯電話がぶら下がっていたり、全員の服装がイスラム風だったりと、「???」な舞台だったせいで歌や演技に集中できず、中途半端に放り出していました。が、エンリケ・マッツォーラ指揮の本舞台は姉妹して大爆笑。特にもっともコメディタッチの二幕はお気に入りで、時間ができるたびに「見たい」「見たい」とせがまれます。

私は恥ずかしながら、この歳にしてようやくオペラを(テレビで)見た身なので、すんなりハマれた姉妹の感性を理解できません。なんなの君たち。

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岡本誠司さんのくれた闘志

家族で『君の名は。』を観てきました。新海監督の作品はひととおり追ってきているのですが、文芸風味の作風から相当に大衆に寄りましたね。おもねったというよりは戦略ではないでしょうか。垢抜けたと言ってもいいかもしれない。若いころから各映画コンクールで賞を総なめにし、創ればファンが少しずつ増えていき、40代半ばにして集大成。見事な生き様だと思います。音楽家もかくありたいもの。

大人のほうが見て感じることは多いのではないかなー。感情のひだとか心の機微とか、色や表情に深みを見る年齢になってから見直すと、きっと姉妹ももっと楽しめるのではないかと感じました。音楽家も(略)

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コンクール×3

何年ぶりでしょうか。カラオケで歌いました。1曲だけでとてつもない疲労感を感じたのですが、本気で歌ったときの娘たちの反応はというと……耳をふさいでた!!

え、なに、聴くに耐えないってこと? と思ったら「うるさい」だそうで。歌は全力で歌わないと意味がないでしょうに。まあいいや、本当に数年ぶりにイエモン歌ったし、気分よかった。

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