人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

呪文のようなオクターブ

母方の実家にいるうちに、必ずやっておきたいと思ったことがひとつありました。それは、オクターブの音程に対する感度をあげること。

 

私はギターをやっていたこともあり、オクターブの音の揺れに敏感です。以前コメントでも教えていただきましたが、少しでもズレていると音にうねりが生まれて、気持ち悪い思いをします。

 

しかし長女は「オクターブがぴったりと合っている音」に価値を感じていない様子で、常にブルブルと音を揺らしている。これはいけないと思い、一度、じっくりと向き合ってオクターブの音がぴっっったり合うまでロングトーンを弾かせることをやらせてみたいと思っていたのでした。

 

練習を始めると興味本位で私の父が聴きに来ました。しかし、ほんの少しの音のズレすらも許さずに「ずれてる。もう一回」と厳しく指摘しているのを見て、「どこがズレてるのかちっともわからない。まるで呪文のようだ」と早々に退席。その後、音のズレを正すという練習だけでぶっ続けで1.5時間くらい費やしました。

 

父娘ともにクタクタになりましたが、その後明らかにオクターブの取り方がうまくなっています。長女もそれがわかるようになったらしく、少し自信に変わったようでした。

 

私の父が「本当にはたから聴いても何をしているのかまったくわからない練習だったけど、とても大事なことなんだろうってことだけはよくわかった」と、わかったようなわからないような納得を見せていました。

 

それからというもの、セヴシックのオクターブ練習は半分くらいはいい音で鳴らせるように。これでも全部の音がブルブル言っていたことから比べたら、だいぶ大きな進歩です。ヴィエニャフスキの華麗なるポロネーズオクターブがわんさか出てきますから、本当に適切なエチュードを選んで下さったものだと思います。

 

これが合宿の成果でした。

 

よくやったと自分で自分を褒めております!
長女も体力が持つようになってきました。頼もしい!

 

ではまた。