人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

本場のテンポ感に姉妹を振り返る

仙台国際音楽コンクールの記者会見記事、とても面白かったです。審査員の方がたが全員手厳しい! あれだけハイレベルに聴こえる演奏でも、審査する側からするとテンポ感がまだまだなんですね。

 

掘米審査委員長のこの一言が特に印象に残りました。「特にシューマンでは、『これ最後まで行くのかな・・・』という人もいました。でも、誰一人として途中でストップする人がいなかった。何も事故がなかった。かすり傷程度で、衝突事故とか、転落事故とか全くなく来たこと自体が、総体的にレベルが高かったと思うのです」

 

そういう世界なんですね。恐ろしい。

 

翻ってわが子たちはどうかといいますと。

 

二女のほうがメトロノームを進んでかけます。ピアノの練習中、「ここは拍をしっかりとってね。バラバラするとかっこ悪いよ」と言うと、自分からメトロノームを設定してテンポをまとめています。

 

長女は特にメトロノームが嫌いというわけではないのですが、揺らすシーンの多い作品が多いヴァイオリン曲ではいちいち止めたりリズムを無視したりするのがわずらわしい様子。ただ、バッハの無伴奏やリズムを刻むようなセンテンスのときはメトロノームをかけることで整えている様子。

 

曲に芯となるテンポ感を持っているから、自在に揺らしたり、急いたり、泣いたり、笑ったりさせるんですよね。その理屈をまだ頭でも体でも理解できているとは思えません。気づくまで言い続ける日が続きそうです。

 

テンポが整っただけで音楽が急に理解できることもあります
揺らすにしても基になるテンポ感はとても大事だということを再確認しました

 

ではまた。