人生を劇場にしない

ヴァイオリン経験皆無の親が、迷走しながら長女を導く軌跡

名器の貸与

ヴァイオリンにはピアノと違って「楽器の貸与」という話題があります。ピアノを貸与する話ももしかしたらあるのかもしれませんがとんでもなく大掛かりですよね。そもそもピアノの先生いわく「ピアノは消耗品」らしいですから、古けりゃいいってもんでもありませんし。

 

名器と呼ばれるヴァイオリンを買うとなれば、やはりお家が買えるくらいの金額を出さなければならないわけです。先日ニュースにもなっていたツィマーマンに貸与されていたヴァイオリンは5億円で買い取るかそれとも手放すか? みたいな話になっていましたが、あれは解決したのですかね。NYフィルとの共演ではほかの楽器で観客を魅了したとかそんな話を読んだ記憶がありますが、名手ともなるとヴァイオリンと演奏家はスタンドとスタンド使いくらいの距離感だと思うのです。

 

そこで、資本家といわれるようなお金持ちのかたがたが、名器を買い上げ「これは」と思う人に貸与するわけですね。税金対策になるのか、それとも資産としてどう計上するのかなど、財政的な効果は知りませんが、何かしらのメリットがあるのでしょう。そして資本家はその名器を借りたい人たちを選ぶためにコンクールを開催する。

 


宗次エンジェルヴァイオリンコンクール ~ヴァイオリニストの発掘と将来的な支援~

 

たとえばここなど、1位はストラディヴァリ、2位はベルゴンツィ、3位はプレッセンダを2年の間借りられる。年齢制限は25歳まで。

 

そこで音楽経験のない私は疑問に思うわけです。そりゃいい楽器がほしいに決まっていますが、2年したら返却しなければならないわけで。それ、借りてどうするんですか、と思ったわけです。

 

しかし長女の先生の言葉で疑問が解けました。「これ借りて国際コンクールに挑戦するんですよ」……ああ、なるほど!

 

今回の出場者の中に、大江馨さんを発見。前回は3位でプレッセンダを借りていました。ついこの間、大江さんの演奏を聴かせていただき、心底感動したばかり。そうか、このクラスの人ですらこうやって貸与してくれるコンクールに出るんだなあ。良い楽器は人類の宝。そのときの旬の人に弾いてもらうのが正しいのでしょうね、きっと。

 

過去の受賞者を見ると、岡本誠司さん(5位 岡本さんといえばバッハになってしまいました)、長尾春花さん(1位! 彼女の演奏は間近で聴きましたが本当にすごかった……)など、けっこうなレベルの方がチャレンジしているんですね。最近は海外からの参加者も多く、ここ数回はストラディバリを手にした日本人はいない様子です。

 

第一次審査は来週です。ちょっと注目しています。

 

ではまた。



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